狩野研究室は、日本語や英語など自然言語をコンピュータで扱う「自然言語処理」の研究をしています。言語は人間の知能の中核であり、人間の知能を探求する科学的な側面と、人間と協調する知的システムを作るという工学的な応用が表裏になる挑戦的な分野です。
このページは、大学生・高校生・一般の方向けです。研究者・企業の方、研究の詳細を知りたい方は狩野准教授のページをご覧ください。
人間の言語処理は話し言葉を基盤としており、その処理に必要な要素は多岐にわたると同時に未知のことが非常に多く挑戦的な課題です。
話し言葉の分析、対話の戦略、発話の文生成、発話のタイミング、音声認識、音声合成、相槌の生成などが含まれます。下記のプロジェクトや、チャットシステムやキャラクタの自動会話など企業との連携による産業界の現場での実運用を目指しています。
近年、超大規模データの機械学習が成果を上げていますが、人間の仕組みからは離れたモデルになり必要なデータ量が多すぎること、ブラックボックスで説明が困難であるなどの課題があります。
脳科学・認知科学的により人間に近い言語モデルの構築により、これらの点を打破することが長期的な目標です。
嘘をつき嘘を見破る会話ゲーム「人狼」をプレイする人工知能を作成するプロジェクトのメンバーとして自動対戦を行う自然言語部門を毎年開催しており、特に会話の理解・生成の自然言語処理部分に挑戦してきたいと考えています。
人狼知能プロジェクトのウェブサイト
【CEDEC 2017】AIは『人狼』をプレイできるのか!?カオスな人間vs AI戦も展開されたセッションレポ
Twitterに代表されるSNSの書き込みは、省略や不完全な文が多く話し言葉に近い処理の難しいテキストです。
主に日本語を対象として、さまざまな個人の特性、意見や行動を表すデータを解析し、有用な推測を行えるようなシステムの構築をしたいと考えています。
より面白く、興味を惹かれるキャッチコピーの自動生成を試みています。言葉の意味や比喩、解釈が課題となる、奥深いテーマです。株式会社電通と研究協力を行っています。
「静大と電通、AIで広告コピーを自動生成」 日本経済新聞朝刊
情報学部の狩野研究室が電通と共同で広告コピー生成AIを開発
AIコピーライターの衝撃 広告代理店は今後どうなる? ITmedia
人工知能は「美魔女」という言葉を生み出せるか 雑誌編集者×AI研究者、異色対談 ITmedia
AIコピーライター、AICOだよ。
電子カルテの処理など、医療テキストの処理を行っており、医師国家試験の自動解答はその一つです。また、医療言語処理を行うコンテスト型ワークショップNTCIR MedNLPシリーズのタスクを開催しています。また、JST CRESTの支援により精神科の診断支援、厚生労働科学研究費により電子カルテの自動処理などを研究の対象としており、目的の一つは、医療現場を助けることのできる診断支援システムの構築です。
Newton AIドクターが命を救う 人工知能は医療をどう変えるか?
中日新聞 静大のカルテ解析 国際大会で首位 紙面のPDF
静岡新聞 AI病名判断 静岡大チームが国際コンテスト首位 紙面のPDF
日本経済新聞 電子版 「医師国家試験に解答する人工知能 正答率40%超」
音声録音やソーシャルメディアのデータの自然言語処理を行い、疾患の自動診断を試みています。
慶應義塾大学病院、東京大学、国立情報学研究所、東京医科歯科大学、志學館大学などと共同研究を行っています。
電子カルテ(診療録)や病理所見の処理など、医療テキストの処理を行っており、目標の一つは、医療現場を助けることのできる診断支援システムの構築です。国立病院機構、浜松医科大学、日本病理学会などと共同研究を行っています。
「医師国家試験に解答する人工知能 正答率40%超」(日本経済新聞 電子版)
法律関連の文書は文が長く複雑なうえ、背後に人間関係や論理構造が仮定されており高度な言語処理を必要とする分野です。
そうした法律文書の処理技術のベンチマークとして、国際コンペティションCOLIEEを毎年開催し、我が国の司法試験自動解答に挑戦しています。
AIで裁判過程分析 静岡大、情報学研などと共同研究. 日本経済新聞
脳科学や生物学、医学の英語の論文、薬剤添付文書などを対象に、膨大な文献から薬剤や病気、治療法など新たな発見を導くテキストマイニングを行っています。
日々膨大な量の論文が公開されており、人間ではおいきれませんが、自然言語処理によって自動的に必要な情報を抽出します。
主に日本語を対象として、さまざまな個人の特性、意見や行動を表すデータを解析し、有用な推測を行えるようなシステムの構築をしたいと考えています。
議会の議事録を分析し、政策や政治家の議論プロセスや世論の関係のモデル化を試みています。
大学入試センター試験社会科の自動解答に挑戦していました。さらにシステムを教育分野に応用した質問応答システムとしての展開が考えられます。
「今の人工知能に解ける問題と解けない問題~AIによる東大合格を目指すプロジェクト成果発表会レポート」(インプレス社 PC Watch の記事)
研究室配属は主に行動情報学科の学生になりますが、情報科学科および情報社会学科からは先端情報学実習の履修者を対象に受け入れています。 研究内容や教員の人柄を知るために、狩野が担当する3年前期「データマイニング」(2021年度後期からは「知的情報システム開発Ⅰ」)の聴講を、初めの数回だけでもお勧めします。 志望を決める前に一度私と直接お話されることをお勧めします。少なくとも一年以上一緒にやっていくことになりますので、希望する内容の研究ができそうか、教員と相性が合うかを確認しておくとよいと思います。メールで直接アポイントを取ってください。連絡先はこちらです。 大学院への進学志望も大歓迎です。
狩野研究室で卒業研究(研究室配属)をしたい場合は、「静岡大学 情報学部 行動情報学科」を受験してください。研究室配属は行動情報学科の学生が主になります。
It"s your turn!
卒業生の主な就職先は以下の通りです。
アクセンチュア株式会社, 株式会社オプト, 株式会社サイバーエージェント, 株式会社トヨタシステムズ, スズキ株式会社, 日本アイ・ビー・エム(IBM), 日本電信電話株式会社(NTT), 富士ゼロックス株式会社, 富士通株式会社, ヤフー株式会社 等
狩野准教授の研究課題「SNSにおける欺瞞とその広がりの自動検出・推測と政治学・社会学的分析および予防的介入」が、セコム科学技術振興財団令和4年度 特定領域研究助成「超スマート社会の「悪」の研究」に採択され、3月13日に贈呈式が行われました。
また、この取り組みについて、中日新聞にて報道掲載されました。
「AIでフェイクニュースを検知、拡散防ぐ仕組みを 静岡大の狩野准教授らが研究」
中日新聞 2023/3/15 朝刊およびウェブサイト
発表した論文は以下のとおりです。狩野の共著論文も発表されました。
NLP2023の大会メインページはこちら!
https://www.anlp.jp/nlp2023/
藤田君(M1)、翁長君(B4)がコンテストで1位になりました。おめでとうございます!
朝日新聞にも掲載されました。
発表した論文は以下のとおりです。
人工知能学会全国大会のメインページはこちら
https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2022/
発表した論文は以下のとおりです。
JURISIN2022のメインページはこちら!
https://www.niit.ac.jp/jurisin2022/
〒432-8011 静岡県浜松市中区城北3-5-1 情報学部2号館
静岡大学情報学部行動情報学科 狩野研究室
狩野准教授の連絡先は kano@inf.shizuoka.ac.jp です(全角@を半角@に変えてください)
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